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学校教育改革運動

Education

わかる授業 楽しい学校

262:自ら本に手を伸ばす子どもの育成をめざして

  本校では、「本好きな子どもを育てる」ために、二〇〇七年度から学校図書館活用について研究にとりくんできました。子どもたちは授業の中で図書館を活用するのはもちろん、週二回の朝読書に積極的にとりくんだり、「高三小おすすめの本」を読んだり、「本の宝箱」の活用や読書カードによる自分の読書生活の振り返りをしたりと、自ら本に手を伸ばすようになってきました。
  教職員側の支援も充実しています。定期的に「高三お話会」といって、全教職員が一斉に朝の時間を使っていろいろなクラスで読み聞かせをしています。担任をしているクラス以外で読み聞かせをするのは緊張しますが、子どもたちの真剣な眼差しを見ていると、読み聞かせにも力が入ります。
  このようなとりくみの中で培われた読書力をもとに、子どもたちが自らの課題解決のために図書館を活用し、主体的に学習にとりくむ力を育てていきたいと考えています。

261:証明の構想を立てる力を高める数学的活動

  中学校二学年数学科での実践です。証明をする際の構想を立てる力を高めるために、三角形の合同条件を用いた証明の構想を立てる段階で、以下の二つのことを行いました。
  まず、合同と予想される二つの三角形の辺や角を対応させてかいた図(比較検討図)を作成しました。次に、比較検討図をもとに対応する辺や角の相等についての根拠を調べ、証明の流れを理解するために役立つ図(証明構想図)を作成しました。
  そして、仮定を青色、まだ根拠のわからないものを黄色、結論を赤色と色を付けました。それぞれ辺や角に色を付けたり、色付きの付箋紙を利用して分類したりしました。三色は信号機の順番に対応させて証明の流れを把握しやすくしました。これらの結果、生徒は仮定と結論の区別を確実にできるようになりました。また、証明に必要な辺や角に着目し根拠を用いて説明でき、証明の構想を立てる力が高まりました。

260:児童の主体的活動を高める学習作り~ハードル走の学習を通して~

  自分たちで運動のルールや特性を見つけ出し、それに工夫改善を加えながら親しんでいく力を身に付けさせたいと思い、次のような手立てで進めてみました。
  まず、チェックリストの作成を行いました。ハードル走の特性を理解し、理想の走りに近づくための課題を自分たちで見つける活動を単元の最初に組み込みました。
  次に、チェックリストで見つかった自分の課題を解決するために、三つの練習コース(アプローチ、ハードリング、リズム・インターバル)を児童に選択させました。
  児童は、与えられたチェック項目をもとに指示された練習コースで活動するのではなく、自分で課題を見つけ、自分で課題解決方法を選択することで、意欲的・主体的に活動することができたように感じます。体育の学習の中で身に付けた自発性・主体性を、普段の生 活の中でも活かせるようになることを期待しています。

259:心と体を育む授業実践 ~長距離走に着目して~

  健康的な生活を送る上で欠かせない体力要素の一つに持久力があります。特に中学生期には、呼吸循環器系が著しく発育する時期であり、長距離走は適時性のある題材だと考えます。しかし、苦手意識を持つ生徒も少なくはなく、次のような点に配慮し指導しています。「走ることについての意義を理解させる」「自分にあったペースで走らせる」「個々の伸びを評価する」「周りと比較をしない」などです。
  長距離走は、地道なとりくみで確実に力が伸びるので、努力の成果を実感できます。決して楽しい面だけではありませんが、だからこそ、やり抜いたあとの達成感も大きいです。また、個人の種目ながら、同じ目標に向かって仲間と共に汗を流すことは、喜びの共有にもつながり一体感も生まれてくるように感じます。
  このような点から長距離走は、体だけでなく心を育むことにも大きな効果のある題材だと感じます。前向きな気持ちでとりくませていきたいです。

258:体験を重視した楽しい理科学習をめざして

  今年は、理科専科です。担任の時も、今も、モットーは、「楽しい授業」です。
  六年生の最初の単元は、「ものの燃え方と空気」。空気の成分に目を向け、物が燃える前後の空気の違いを学習します。導入として、「空気の中の原子が見えたとしたらどう見えるか」という授業を行いました。DVDの映像を見ながらの授業でしたが、空気中を酸素や窒素がとぶ様子には、歓声があがりました。
  一学期の最後の単元は、「てこのはたらき」。てこの原理を利用した道具や仕組みを実際に体験しながら授業を進めました。最後には、自分たちで小さなさおばかりを作りました。自分の作った秤が正確か知るために、上皿てんびんなどを使って確認しましたが、意外と正確で、どの子もびっくりしていました。
  授業のアンケートでは、この原子の学習と、天秤の学習はとても好評でした。
  これからも、子どもたちと授業を楽しみながら進めて行きたいと思います。

私たちの学校改革 ~一分会一テーマのとりくみ~

84:西小発「プチシリーズ」

  小見川西小は、チーバくんで表すとちょうど耳のつけ根の県北東部香取市にあります。本校は三月の震災で液状化現象の被害を受け、約三カ月間グラウンドが使えず、現在も校舎の一階と特別棟は上下水道が復旧していません。そんな中でも組合員数十五人で組織率100%の本校は、いつも元気で明るく前向きな職場です。
  分会のテーマを決める際にまず考えたのはリフレッシュデーについてです。とはいっても、部活動が終了する時刻はすでに勤務時間を超えています。つまり「ノー残業デー」をつくることは難しいと気づきました。そこで発想の転換をして「水曜日はプチ残業デー」と少しだけ残業をする日と考えることにしました。
  また分会会議の定例化についても考えました。こちらも発想の転換をして放課後一緒にお茶を飲みながら二人以上集まって話をすれば「プチ分会会議」が成立することとしました。その時の話題は子どもや行事など学校のことはもちろんですが、学校委員会で毎回配付される分会会議用の情報紙「KatoriTips」(香取チップス)は話題を提供してくれ、それを利用しプチ分会会議はいつも盛り上がり話に花が咲いています。
  そこで分会のテーマは「西小学校プチ改革」とし、その他にも「プチ親睦会」や「プチスポーツ大会」などを企画して自分たちにできることから少しずつより魅力的な職場に変えてみているところです。 何事もはじめの一歩は小さいもの。この小さい一歩を踏み出したところだと思っています。

83:東小伝統 手づくりランチでおもてなし

  新しい職場に不安な気持ちを抱きつつ赴任した昨年四月、私たち新入職員を迎えてくれたのは、手づくりの昼食でした。
  教室で片付けをしていると、エプロン姿の先輩が「できたよ」と温かく声を掛けてくださいました。お弁当しか想像していなかった私は、ランチルームに並んだ手づくりの食事に驚きました。その時のメニューは、一年以上たった今でもはっきりと覚えています。千切りキャベツにホカホカのコロッケが二つ。付け合わせには、分会の皆さんが家からもって来てくださった煮物やおしんこ。学校園で採れたしいたけのみそ汁。驚いたことに、味噌は学校で採れた大豆で炊き込んだ「東小オリジナル味噌」でした。家庭科室のガス釜で炊いたお米も、学校田で収穫したものでした。
  東小では、何年も前から手づくりの昼食が四月の恒例になっているとのことでした。食事をいただきながら、「昔は、男性教職員もエプロンを着けて家庭科室で腕をふるった」とか、「○○先生の△△がおいしい」など・・・、楽しくおいしい話をたくさん聞かせていただきました。心温まる食事に、心もおなかもいっぱいに満たされ、幸せな気持ちになりました。新任地に対する不安はいっぺんに吹き飛び、自分が東小ファミリーの一員になれたことを実感しました。これからも東小の伝統を大切に受け継ぎ、おもてなしの心で職場の仲間とともに働いていこうと思います。

82:各世代をつなぐ「若者塾」のとりくみ

  本校教職員の年齢構成を見ると、五十代のベテラン層が半数を占めており、三分の一が経験年数十年以下の若者、ミドル層は少数です。このため、ベテラン層の経験に学びながら若者の力量を伸ばすことは、本校の教育活動を活性化するための欠かせない課題です。
  「若者塾」は、昨年度、前任の校長の提案を受けてスタートしました。塾生は経験年数十年以下の若手教職員。校長・教頭やベテラン・ミドル層を講師に、毎回テーマを決めて研修しました。
  今年度は、ミドルや若者の「学び合いたい」という強い希望により、教職員の主体的なとりくみとして実施しました。
  各回のテーマは、明日からの教育実践に即役立つ内容にしたいと考えました。そこで第一回目は、塾生それぞれが、指導上の悩みや本校の課題として感じていること、取り上げたい教育課題を挙げ、それをもとに年間の計画を作成しました。
  そしてこれまでに、「楽しく学べる漢字指導・筆順指導」「書く力を伸ばす指導の工夫」「忘れ物をなくそう大作戦」「落ち着きのある学級づくり」「様々な問題をかかえる児童への対応」「自学の充実」をテーマに、それぞれが実践やアイディアを持ち寄り、紹介し合い、検討し、研修を深めてきました。
  参加者からは、「全て実践型ですぐに役立つ。」「日頃の悩みを話せるので気持ちが楽になる。」「先生方の話から新しい発見が毎回ある。」「自分の実践を振り返るきっかけとなった。」「課題に挑戦する決意を新たにした。」などの声が寄せられています。
  ここでは、ベテラン・若手の区別なく、自由に自分の考えを話せるようにすることに留意してきました。そして、相互理解による組織力の強化と、個々の教職員としての力量の向上に効果を上げつつあります。
  今後も、教職員の主体的な思いを大切に、継続してとりくんでいきたいと思います。

81:若い教員を支え、ともに高め合う職場づくりを

  今年度、吾妻小分会は、講師三人と新規採用者一人を迎えました。近年、分会の中で若年層の割合が高まってきています。五年ほど前までは、ベテラン・中堅が多く、多少の修正意見を出し合えば、大抵のことは四月当初からすぐに軌道に乗っていたという印象がありましたが、最近はそうはいきません。しかし、若い力の加入で、職場には明らかに新しい風が吹いています。そして、分会の中で、彼らを支え、自分たちもまた刺激を受けようとする意識が高まってきました。
  彼らの中で、学級担任をする二人は、初めてのことが多く、主に学年主任に尋ねながら日々の仕事を進めていました。しかし主任も仕事量が多いため、中堅の教員が仕事の方法を教えたり、息抜きの食事会に誘ったりということを行っています。こうして育った若手は、次の世代に同じように接することでしょう。こうしたことは、「業績評価」や「目標申告」に表れるようなものではないでしょうが、「教職員は現場で育つ」とは、まさにこうした事を意味しているのではないかと思います。
  また少人数指導を担当する講師二人に対しては、六月から採用試験に集中できるように心がけました。やはり中堅教員が試験対策についての助言をし、支部青年部主催の講師学習会にも参加できるようにしました。一次試験突破後、二次対策の学習会に参加できなかったため、分会で学習会資料を取り寄せたり、実技について職員が協力して練習会を開いたりするなどの支援をしてきました。
  こうした結果、三人の講師全員が二次試験も合格することができました。
  若い教職員に対する支援を惜しまず、彼らからもまた学び高め合う、そんな分会の雰囲気をこれからも大切にしていきたいと思います。

80:人とかかわりを持ちながら、自主的に活動できる子の育成

  1 設定理由
  情報社会の急速な発展、核家族の増大などの影響で、地域や家庭で人同士がかかわる機会が少なくなっています。本校では「心ゆたかな子」を育むために継続的・計画的な集団遊び、及び交流活動を推進していくことが大切だと考えています。学校で友達とかかわりを持ちながら、自分を好きになったり、他者を認めたりする心を育てるため、本主題を設定しました。
2 研究仮説
(1)「わんぱくタイム」の充実をはかれば、友達とのかかわりを楽しむことができ、人と進んでかかわることのできる子どもが育つであろう。
(2)相手や目的に応じて、交流の場を意図的に仕組んったので、自分なりに学び、実践してきました。その中で、鑑賞は指導者の価値観を提示するのではなく、子どもたちと作品との出会いを演出することが大切であると考えるようになでいけば、満足感や達成感を味わうことができ、自主的に活動できる子どもが育つであろう。
3 実践報告
(1) わんぱくタイムの充実
・教職員の遊びの引き出しを増やすため、職員全体で人とかかわりが持てる遊びについての研修を行いました。
・週一回のわんぱくタイム(長い昼休み)の時間には、クラス全員での集団遊びを行いました。
・月に一度はペア学級で遊ぶ時間を確保し、ふれあい実行委員を中心に活動の計画、実施を行いました。
(2)交流・集会活動
・実行委員を中心とした集会(どうぞよろしくの会・ゲームスポーツ集会)を、組織を拡張しながら学校全体で行いました。
・地域との交流(親子学習会・老人ホーム訪問・社会科見学)を継続的に行いました。
・本校と分校交流を、年間を通して計画的に行いました。
4 成果と課題
○集団遊びや交流活動を継続的に行うことで、人とかかわる楽しさや喜びを味わうことができました。特に手紙や、感想発表などお互いの気持ちを表現する場を設けたことで互いの反応を直に感じることができ、自己肯定感の高まりに有効でした。
●児童の自主的な遊びの拡充や、児童会組織のさらなる活性化など、課題が明確になってきました。これからの更なる工夫と積み重ねが必要であると考えます。
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