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学校教育改革運動

Education

わかる授業 楽しい学校

282:ともに伝え合うために

  日々の授業の中で、互いに意見を交換できずに、一部の子どもが積極的に発表し、他の子どもは「ただ」話を聞いているという場面や、教員との一対一のやりとりが中心となってしまう場面から抜け出せずにいました。このことから一人ひとりの「話す力・聞く力の育成」の必要性を感じました。
  そこで、算数科の学習を切り口にし、聞き手は話し手が何を伝えたいのかを考えるようにし、話し手は、聞き手をより意識し、聞き手の表情にも気をつけて話すように指導しました。すると、どのように話し合いに参加してよいか困っていた子どもも、友だちの発表に質問をしたり、分かったことを発表したりするようになってきました。また、話し手も聞き手の様子に合わせて説明の仕方を変えるようになってきました。
  このような積み重ねを他の教科でも生かし、「話す力・聞く力の育成」にとりくんでいきたいと考えています。

281:「表現運動を楽しむために」~徒手運動からダンスをつくり出す活動~

  本地区の児童は、表現を創造する経験が少ないという実態が伺えました。一方で、指導する側も表現運動に対して苦手意識をもっていることがわかりました。そこで、誰もが知っている徒手運動を取り入れたダンスづくりの活動を工夫することで、表るのではないかと考えました。
① 徒手運動を確認し動きを習得する。
  徒手運動の動きをペアで見せ合ったり、速さや強度を変えたりしながら徒手運動を行いました。この活動によって、徒手運動をダンスの材料としてとらえ ることができました。
② 曲調に変化のある曲で準備運動を行う。
  同じ曲に合わせて、毎時間準備運動を行いました。曲に合わせた動きがわかるようになると体いっぱい動くことができました。
③ 徒手運動をもとにして振付けをする。
  グループで振付けをし、発表し合いました。徒手運動をもとにすることで発想しやすくなり、いきいきと活動することができました。

280:「先生また一つできたよ」

  普段の授業ではあまり活発でなかった○○さんが、今日の創作の授業では生き生きとした表情でとりくんでいる。できあがった旋律を得意げな表情で私や周囲の仲間に聞かせる姿。そこには、自分で音を音楽にする面白さや創りあげた達成感、そして、つくった旋律を自分自身で演奏した喜びを味わっている生徒の姿があったように感じます。生徒がうれしそうに発した「先生、また一つできたよ」の言葉と喜びの表情は、今までの自分の実践をもう一度振り返るきっかけとなりました。
  生徒は「この曲のこんなところがいいな」や「こんなふうに表現したい」という思いや願いをもっています。その思いと自分たちの表現とがかみ合った時、達成感や充実感、満足感を味わうことができるのだと思います。小さな感動の積み重ねは大きな感動へとつながる・・・日々の授業で生徒が活躍できる場面をつくり、共に心から音楽を楽しむことのできる授業を今後もめざしたいと思います。

279:習得した知識及び技能を活用し、

問題を解決することができる児童の育成~「見通しをもつ場」の工夫を通して~
 
  児童の思考力・判断力・表現力等を育むためには、基礎的・基本的な知識及び技能の「活用」を図る学習活動を重視しなければならないと考え、理科「水溶液の性質」で授業実践を行いました。
  「活用する力」とは、身に付けたことを意識して使い、習得したことを次の学習活動に活かすことができる力と捉え、単元の最後に5種類の無色透明な水溶液(塩酸・アンモニア水・炭酸水・食塩水・水酸化ナトリウムの水溶液)を識別し、その根拠を明らかにする活動を取り入れました。
  識別するために、既習事項を活用しなければ実験計画が立てられない状況を作り出した結果、「何とかして識別したい」「やってみたい」という思いを引き出すことができました。そして、身に付けた実験方法を再確認しながら、どのグループも計画を練り上げ、実験によって水溶液を識別し根拠を明らかにすることができました。

278:子どもの意欲を高める外国語活動のあり方~オリジナルCD付き絵本作りを通して~

  外国語に対して意欲を持って中学校へ進学してほしい。意欲を高めるには、段階的な学習過程を構成することに加えて、学習に必然性を持たせることが大切です。
  実践「オリジナルCD付き絵本を作ろう」では、最終目標をCD付き絵本の制作におき、必然的な学習を促しました。題材には、アメリカでも人気の“Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?”という学習絵本を使い、その中に登場する動物や色を変え、さらには動物の鳴き声をつけ加えてオリジナル絵本を制作しました。子どもたちはインターネットで調べたり、ALTに尋ねたりして、意欲的に学習をすすめていきました。
  オリジナルCDの制作と収録には、千葉大学院生にも協力してもらいました。
  収録当日、本格的な機材を前に、子どもたちは緊張の眼差し。それでも、クラス一丸となり、すばらしい歌声が収録できました。世界に一つしかないオリジナルCD付きの絵本は、子どもたちの宝物になりました。

私たちの学校改革 ~一分会一テーマのとりくみ~

39:キラリ輝きを持った子どもを育てる学校をめざして―集会活動を通したとりくみ―

  本校は学級数29、児童数893人の大規模校です。人との関わりをうまく持てなかったり、リーダーシップがとれなかったりする子どもが多く人間関係が固定化しがちな傾向があります。今年度、私たちの分会では、一人ひとりが自己存在感を高め、キラリ輝ける児童の育成をめざし、「思いやりを持ち、進んで人と関わることのできる子どもの育成」をテーマに、さまざまな集団活動にとりくんでいます。そのような学校改革を推進するために、異学年交流と集会活動を柱として、自分の気づきや思いを発信したり行動化したりする楽しさを実感し、進んで人と関わることのできる子どもを育てたいと考えました。
  異学年交流は、1・6年生、2・4年生、3・5年生を姉妹学年として位置づけ、企画運営に当たっては、各学級で実行委員体制でとりくんでいます。年間7回の定例の異学年交流(フレンジャータイム)として、仲良し遠足、仲良し給食、ゲーム大会、七夕会、理科発表会、スポーツ大会、清掃など多岐にわたり活動しています。その他、実行委員を中心にして常時活動として学級・学年での交流を行っています。特に、1年生と6年生については、教室を同じ校舎の1階と2階に配置し活動が容易になるようにしました。
  集会活動を『全校児童を対象とした学びの場』と据え、集会委員を中心として児童活動の充実をめざしています。「あいさつの嫌いな王様」など子どもたちが企画演出した劇や読書ボランティアの方々の読み聞かせ、教職員の合唱、地域の方々の影絵など内容も子どもたちの興味関心を高めるものです。集会の流れは必ずプリントし、校長の話もどこでどのようなことを話したら効果的なのかまで考え集会委員がお願いしています。
  今後も、異学年交流と集会活動を通して、『キラリ輝く子どもの姿で語れる学校』をめざし、熱意と誠意そして創意を持って進んでいきたいと思います。

38:伝統の体育実技研修で元気な明るい職場を

  本校は、1930年の第1回公開研究会から、戦時中も途絶えることなく、本年で第78回を迎える伝統の体育研究校です。裸足、裸の体操で「教えることは、学ぶことなり」を合い言葉に研究実践を積み重ねてきました。
  「体操は身をもって」が本校体育研究が始まった当初からの合い言葉です。本校では、木曜日の放課後の時間を職員の体育研修日と位置づけ、定期的に実技研修を行っています。地域から講師を招き、徒手体操、肋木運動、器械運動の実技研修にとりくんでいます。
  また、木曜日に加えて、毎週土曜日の夜、時間に都合のつく職員は、地域の戸田小OBの方々による「戸田体操クラブ」の活動に参加させていただき、実技研修を受けています。さらに運動会前、公開研究会前の一か月程度は水曜日の夜にもこの活動が行われます。こちらはほとんどの職員が参加し、徒手体操を中心とした研修を行っています。
  体育では、動きのポイントを自分の体でつかむことが、児童に指導する際有効であると考えます。体で覚えると、児童のつまずきのポイントがよくわかり、そのための手立てもはっきり見えてきます。そして何よりも、児童に示範することができます。児童にとっては「百聞は一見に如かず」です。
  これらの職員体育実技研修を通して、本校戸田小分会の仲間が互いにアドバイスし合いながら、指導技術を磨き合い、よりよい授業を実践できるよう日々努力しています。そして何よりも共に体を動かし、気持ちの良い汗を流し合うことは、明日への活力となっています。また、実技研修の後には、決まって体育館で談笑をしながら、体育に限らず、日頃の学級経営等の悩みについて語り合う場も設けています。分会のテーマ「元気で明るい職場をめざそう」は、この職員体育研修で具現化されています。

37:小学校・中学校間の壁を取り除く~小学校での出前授業を通して~

  新島中学校では、2年前から学区の2つの小学校(新島小学校、湖東小学校)へ職員が出向いて出前授業を行っています。一昨年度は試行的に4人が行い、昨年度は全職員がどちらかの小学校で行いました。本年度も全職員が行う予定です。
  「中学校の教職員が学区の小学校に出向き、授業をすることで、中学校の授業への不安が取り除かれ、スムーズな中学校教育への移行が図れるであろう。」「小・中学校間での情報の共有ができ、教職員に、地域の子どもという意識が高まるであろう。」という考えのもと、小学校の子どもたちにあるであろう中学校に対する不安や怖さの壁、小・中学校の教職員間にある情報不足や子どもに対する認識の違いの壁を少しでも取り除こうと考えての実践です。
  出前授業での子どもたちは、中学校教職員と学習内容への興味関心が非常に高く、意欲的に授業にとりくんでいます。授業後の感想は好意的なものがほとんどで、中学校の授業に対しての不安が解消されたようです。今年度の1年生は順調な中学校生活のスタートでしたが、「先生の顔と名前を覚えていたので、安心感があった。」という入学後の感想もあり、期待した効果があったといえます。
  中学校の教職員にとっては、授業力を試される場でもあります。興味津々で待っている小学生に拙い授業はできないので、授業改善につながっています。プラスアルファの仕事ではありますが、その結果として小学生が入学を楽しみにしてくれているとなればうれしいし、がんばる力も湧きます。
  小・中学校の教職員間も、話す機会が増え、相互の理解が進みました。子どもへの理解も深まり、同じ学区の子どもたちという認識ができたと思います。小・中連携の一つの方法として、効果的な実践だといえます。

36:出張型学校委員会~分会力の向上を目指して~

  船橋支部は青年部の誕生もあり、組合員数は約550人となりました。しかし、組織率は決して高いとは言えず、分会単位で活動を展開することは未だに容易ではありません。分会の構成人数が少ないことで受身の活動が目立っていました。しかし、何もアクションを起こさなければ、支部としての力が高まらないばかりか、せっかく加入していただいている組合員がメリットを感じとることはできないでしょう。
  近年、船橋支部では、分会力の向上をめざして、「出張型の学校委員会」のとりくみを行っています。これまでは書記局近くの会議室で行っていた学校委員会の会場を市内各所にある公民館に移しました。会場近隣の分会の学校委員以外の組合員、時には未組の方にも参加を呼びかけて、組合活動の報告や学習を実施するというとりくみです。11月の学校委員会は、人事異動のとりくみをメインとして薬円台公民館で開催しました。約30人の仲間が集まり、国や県における教育界の動向や千教組の活動を学びました。また、人事異動については、たくさんの不安が寄せられました。船橋では、大量退職期を迎えて100人を超す採用があり、若年層の教職員は「初めての人事異動」に不安を隠せません。
  支部では、執行委員による分会訪問も始まり、分会に根付いた組織づくりの第一歩を踏み出しました。これからも、分会の声が届き、問題に対応できるような組織づくりを心がけていきたいと思います。

35:市川市支部主催 夏季教育講座

  市川市支部では「教育実践力の向上」をテーマとして、年に数回、支部が中心となり教職員に参加を呼びかけ、いろいろな行事を開催しています。今年度もその一環として、夏季休業中に「夏季教育講座」と称して学習会を開きました。
  今回の学習会は二部構成で、第一部は、千葉大学教授の明石要一先生をお招きし、『多様化する子ども・保護者とどう向き合うか』をタイトルに講演をいただきました。また第2部では、市川市内の小中学校の教職員3人と、明石先生をオブザーバーに、『今、困っていること・悩んでいること』をテーマにパネルディスカッションを行いました。
  講演会で明石先生は、さまざまな事象を紹介しながら、近年「社会・地域・保護者」が変わってしまったことに言及し、教育の地域格差、経済力による放課後格差等の問題を投げかけました。
  ディスカッションでは、パネラー三者三様のタイムリーな悩みが報告され、会場参加者からの意見や体験談などを交えながら、解決法を探りました。なかなか明確な解決法とまではいきませんでしたが、明石先生から最後に、「先輩は釣鐘。強くたたけば響く。先輩のいいところを学び、守り、それを破る。そして最後はそこから離れる。それが自然に行われる学校であってほしい」とアドバイスがありました。
  集まった参加者の多くは、「研修」として参加しています。昨今「研修」が簡単に取れなくなり、計画書や報告書の提出が面倒だといって、せっかくの権利を行使せずに済ませてしまう人も多いようです。行使する人が少なくなればやがて制度は廃れます。今後も市川市支部では、「研修で参加しよう」と呼びかけ、一人でも、一回でも多く「研修」を取り、研修制度を維持し、教育実践力の向上に役立てようと心がけていきます。
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千葉県教職員組合
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